2016年7月23日土曜日

種苗法・品種登録の基本(1): 品種登録制度とは?

初めに、種苗法や品種登録、育成者権について簡単に説明します。

工業の分野においては、発明をした者に対しては「特許権」、デザインを創作した者に対しては「意匠権」といった権利を付与する制度があります。

例えば特許(権)の場合、「発明保護及び利用を図」り、「発明を奨励」することにより、産業の発達に寄与することが目的とされています。

一方、農業分野にも同様の制度があります。


植物の品種について新しい品種を育成した者に対し「育成者権」という権利を付与することにより、品種の育成の振興等を図り、それにより農林水産業の発展に寄与する、というものです。

それを定めた法律が「種苗法」であり、育成者権を付与する制度が「品種登録制度」です。


植物の新品種を育成した者を「育成者」といいます。

育成者に対して、知的財産権の一つである育成者権を付与することにより、一定期間の保護を与えることにより、新品種の育成を振興しようとしたのです。


植物の新品種を育成するためには、ふつう多大な時間と資金、労力が費やされます。

そのようにして育成された新品種を、他の者が自由に利用でき、誰でも増殖して販売できるとしたら、新品種を育成した者は費やした資金を回収することができず、多大な苦労も報われません。

そうなると、多大な費用や時間等を費やして新品種を育成しようとすることがなくなってしまいます。

そこで、育成者には登録した品種の排他的独占権が与えられます。
この権利を「育成者権」と呼びます。


この「種苗法・品種登録の基本」や本ブログでは、品種登録の手続を説明するとともに、新品種の育成を地域の活性化や、競争力強化につなげていく方法を考えていきます。


(「日本種苗新聞」に掲載したものに、加除修正しました。)


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