2016年7月29日金曜日

種苗法・品種登録の基本(2):育成者権とは? + ‘農家’の品種登録への取り組み方

 発明をした人 → 特許権者
 意匠を創作した人 → 意匠権者
 新品種を育成した人 → 育成者

となります。

育成者に与えられる権利が「育成者権」ですが、これはどのようにして認められるのでしょうか。


育成者権は、新品種を育成した者が農林水産省に品種登録の出願をし、品種登録を受けることによって与えられます。

出願が必要であるという点は、特許権や意匠権と同様です。

 特許権、実用新案権、意匠権、商標権 → 特許庁
 育成者権 → 農林水産省

どのような品種が、「新しい品種」と認められるのか、あるいは出願にあたってどのような書類等が必要なのか、ということは、順に説明していきたいと思います。


前回も書きましたが、新品種の育成には時間も費用もかかります。

そのようなこともあり、新品種の育成といえば、大手の種苗会社や公的な試験場が行うもの、というイメージがあります。

実際、品種登録の状況を見てみても、大手の種苗会社や公的な試験場の登録が多くなっています。


では、(育種を専門にしている個人は別として)農家は、新品種の育成や品種登録にどのように取り組めばいいのでしょうか?

登録の要件等は改めて説明していきますが、例えば偶然発見した新品種についても、それを「固定」することができれば、登録は可能です。

突然変異があったものを「固定」できれば品種登録できるのです。


また、最近は農業分野にもIT技術などを利用する機会も増えてきました。

ITを活用することにより、
農作業等の能率化・効率化
記録の保存
情報の共有

という効果が期待できると考えられますが、これらを活かしてある地域(ご近所さんや、集落、町村など)の人たちが共同して新品種を育成していくことが可能なのではないかと思います。

ある品種をその地域の特産とし、それをブランドとして育てることにより、その地域の農業や産業の活性化にもつながると考えています。


(「日本種苗新聞」に掲載したものに、加除修正しました。)


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