2016年8月3日水曜日

種苗法・品種登録の基本(3):出願に必要な書類とは?(1)

品種登録の手続きは、農林水産大臣に対し、品種登録出願の願書を提出して行なわれます。

願書に記載すべき事項として種苗法に定められているものは、次の内容です。

(1)出願者の氏名又は名称及び住所又は居所
(2)出願品種の属する農林水産植物の種類
(3)出願品種の名称
(4)出願品種の育成をした者の氏名及び住所又は居所
(5)(1)~(4)に掲げるもののほか、農林水産省令で定める事項



(3)の「名称」については注意すべき点があるのですが、それ以外は特に‘難しい’ものはありません。


これらの内容は定型のものですので、それほど難しくありません。
重要なのは、添付する書類等です。


種苗法では、次の書類等を添付しなければならないと定めています。
「農林水産省で定める事項を記載した説明書」
「出願品種の植物体の写真」


これらは、出願品種の審査方法、対照品種の選定、試験の実施場所、時期等を決定する上で重要な情報となるので、
 正確かつ具体的に記述し、
 写真は適切に撮影されたもの

である必要があります。
これらの内容によっては「拒絶」となる場合もあるので注意が必要です。


説明書の記載事項は次のようなものです。
(1)出願品種の植物体の特性及びそれにより他の植物体と明確に区別されることとなる特性
(2)出願品種の育成及び繁殖の方法
(3)種子又は雑菌を種苗としない品種にあっては、出願品種の保存の状況
(4)出願品種の主たる用途及び栽培上の留意事項

また、植物体の写真は、
「出願品種の植物体の特性」
であって、
「それによりその植物体と他の植物体とが明確に区別できる」
ように撮ったものでなければなりません。


さて、上記のうち、「説明書」の特に次の2点が重要になると思います。
出願品種の育成及び繁殖の方法
出願品種の主たる用途及び栽培上の留意事項


育種の専門機関等ではこれらのことは当初からキッチリ記録を残していると思います。


しかし、農家等が新たな品種を育成して、いざ出願しようという時に困るのがこれらの記録が残っていない点です。

IT技術は、このような情報を‘記録’していく点で非常に有用と思われます。


(「日本種苗新聞」に掲載したものに、加除修正しました。)


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