2017年6月21日水曜日

種苗法・品種登録の基本(9):「種苗」と「収穫物」の違いとは? 保護される「加工品」とは?

種苗とは、「植物体(農林水産物の個体)の全部又は一部であって繁殖の用に供されるもの」をいいます。

植物体の個体数の増加を目的として用いられるものであれば、どのような形態であっても種苗となります。


収穫物とは、植物体の全部又は一部であって繁殖の用に供されるものです。

種苗と収穫物の区別は、個々の事案により社会通念に照らして判断されます。

一般的に、スーパー等の店頭で販売され、食用として利用されるものは、収穫物に当たります。

しかし収穫物が繁殖に用いられる場合は、種苗に該当することになります。


加工品とは、「種苗を用いることにより得られる収穫物から直接生産される加工品であって政令で定めるもの」をいいます。

政令で定められている加工品は次のものです。
(1)「小豆」の加工品
 豆を水煮したもの(砂糖を加えたものを含む。)及びあん

(2)「いぐさ」の加工品
 ござ

(3)「稲」の加工品
 米飯

(4)「茶」の加工品
 葉又は茎を製茶したもの


収穫物と加工品の区別は、
(1)植物体に加えられた工作の程度、
2)植物体そのものとの物理的化学的特性の異同

等を考慮して、社会通念に照らして判断されます。

政令で定める加工品にも育成者権が及ぶことに注意が必要です。


(「日本種苗新聞」に掲載したものを、加除修正しました。)


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